いまさら聞けない⁉ インプラントの話

こんにちは。 中野区 新井薬師前駅徒歩4分 中野通り沿いにある歯医者さん、コンデンタルクリニック院長の今です。

今回はインプラントについてお話したいと思います。

そもそもインプラントってどういうときに、治療の選択肢になるかご存じでしょうか?

インプラントとは歯が無くなった時、あるいは歯が無くなっている場所にできる治療法です。

たまに患者さんで、「差し歯が取れてしまったのだけど、インプラントを入れた方がいいですかね」と聞かれることがあります。

今お話ししたように、インプラントとは人工の歯根のことなので歯がある場所にはできません。(その歯を抜かなくてはいけない場合は別ですが)

まずは、インプラント治療とは、人工の歯根を歯が無くなってしまった場所に、ご自身の歯根の代わりに骨に埋め込む治療ということです。

埋め込むというと痛そうですが実際は「歯を抜歯するより痛くない」とか「痛み止めを飲まずに済んだ」など、もちろん外科処置にはなるので麻酔が切れた後、多少痛みはありますが、少なくとも当院で手術後に「痛くて痛くて困った」という方は今までいらっしゃいません。

歯が無くなってしまった方、入れ歯を入れているけど不具合を感じている方などはインプラント治療の適応になります。

ただ、「人から聞いたけどインプラントって痛いんでしょ」「インプラントは怖い」「インプラントは高い」などなどマイナスなイメージも多いインプラントですが、インプラント治療は50年以上前からある治療で、今は術前検査機器の発達にともなってインプラント治療の成功率は飛躍的に高まり、少ない本数であれば99%以上の成功率と言われています。

どんな治療もそうかもしれませんが、治療を成功に導くのは、そのほとんどが術前検査で決まると言っても過言ではありません。

術前検査で絶対必要なのが、レントゲン撮影です。その中でインプラント治療に欠かせないのがCT撮影です。

CT撮影ではインプラント治療を行う場所の骨の形態が3次元の立体でわかります。骨の形態だけではなく、神経の位置や、鼻と通じている副鼻腔(上顎洞)の位置までも立体的にわかります。

インプラント治療は、骨の中にインプラントという人工の歯根を埋め込むため、見えないところに施術をするということになります。

今までのインプラント手術の失敗の原因の1つとして、この見えないところに施術を行うということがあります。

実際の手術では、歯肉を切開して骨を見ながら行うことがほとんどですから、見える治療になるのですが、それでも骨の形態は複雑な形態も多いので、インプラントを入れる方向によっては、見えない場所も出てきます。

このように、インプラントを入れる場所にしっかりとした骨があるかどうかは、術前の診査が最も重要になり、CT撮影を行うことで、インプラントを入れる場所のシュミレーションができて、安心、安全に施術を行うことができるようになるのです。

最近はこのCT撮影のデーターをもとに、インプラントをする場所に「ガイドステント」というものを作成し、インプラントを入れる場所により正確に施術を行うことができるようになりました。

これにより見えない場所でも、しっかりとした骨のあるところにインプラントを入れることができ、インプラント手術の失敗ということがほとんど無くなったと言ってもいいと思います。

インプラント治療は完全なる感染対策を行って施術をするので、治療後の炎症は少ないことが多いです。

歯を抜歯する際などは、抜歯する歯や歯肉に何らかの炎症があることが多いので、術後に痛むこともあります。ですから、インプラント手術の痛みは抜歯程度か、それ以下ということが言えます。

「インプラントは痛い」「インプラントは怖い」などは、今お話しした内容でかなり払拭できたのではないでしょうか!

次に「インプラントは高い」ですが、確かに保険診療ではないので費用はかかります。ただ費用対効果を考えると、インプラントは噛む力が自分の歯と同じ程度噛む力を発揮できます。ところが入れ歯になると噛む力としては自分の歯の約半分ぐらいにまで落ち込んでしまうともいわれています。

無くなってしまった自分の歯がインプラントを入れることによって、また歯があった時と同じように噛めるということは素晴らしいことではないでしょうか!

ちなみに、当院での治療費のお話ですが、インプラント手術は1本20万円となっておりますが、インプラントの補綴物(被せ物)は1本15万円です。

例えば1本の自費診療の入れ歯を入れても10万円~15万円ぐらいはします。(ばねの見えないノンクラスプデンチャーなど)

インプラントという人工歯根を除けば、被せ物(上部構造)に関して言うと、自費診療の場合、1本であれば入れ歯もインプラントもあまり変わらないということになります。

しかもインプラントの方が圧倒的に、ご自身の歯と同じように使うことができるのです。

また、ブリッジといって歯がないところに両方の歯を削って、架け橋をする治療があります。

この場合、歯がない部分を両サイドの歯で支えることになりますので、一本歯がない場合のブリッジは、3本分を2本で支えることになります。

両サイドの歯を削らなくてはいけない(削った歯は元に戻らない)のと、2本で3本分を支えるので負担が重く支えている歯がだめになると、また歯を失っていくことにもなります。

残っている歯への負担は、部分入れ歯にも同様に言えます。

入れ歯はもともと噛む力が弱いですが、入れ歯を支えている歯には負担がかかります。また、入れ歯の場合その形状から汚れが付きやすく、本来であれば食事の度に外してきれいに洗う必要性が出てきますが、外出先で外して洗うのは難しいですよね。

結果、ブリッジも入れ歯も支えている歯が、虫歯や歯周病によってだめになってしまったり、負担過重が重くてだめになり抜歯をして、歯が無くなる本数が増えてしまう可能性が出てきます。

患者さんがよく言われるのが、「ブリッジにしたらブリッジの支えている歯を抜くことになり、ブリッジが大きくなってしまった」とか「部分入れ歯にしたら、支えている歯が、だめになってしまって抜歯をすることになり、入れ歯が大きくなってしまった。」あるいは「ブリッジをしていたが、支えている歯がだめになってしまって、今度は入れ歯になってしまった」など、どうしても支えている歯の負担というのはブリッジや、部分入れ歯の場合は払拭できません。

ブリッジの費用に関しても、3本分のブリッジを自費診療で行うとすると、おおよそ30万円ぐらいかかりますが、そうすると1本分のインプラントとほとんど費用が変わらなくなってきます。

「インプラントは高い」確かにそうかもしれませんが、インプラントを選択することによる費用対効果は、これからの10年、15年間のクオリティライフを考えるのであれば決して高いという価値観にはならないはずです!

火事でも、火が広がらないうちに消すことが一番大事なように、一本の歯を失った際に、治療が可能であればブリッジや部分入れ歯よりも、インプラントを考えていった方が被害が少なくて済むということにもなるのではないでしょうか!