こんにちは。中野区 新井薬師前駅徒歩4分 中野通り沿いにある歯医者さん、コン デンタルクリニック院長の今です。
今回は保険治療でよく使用される銀の詰め物、被せ物についてお話したいと思います。
この写真は「3年前に入れた銀の詰め物が舌で触るとザラザラする」ということでいらした方の写真です。
よく見ると一番奥の歯の、銀の詰め物との境目が欠けているのがわかります。
銀歯は、パラジウム合金といって保険適応の金属として使用されています。メリットは保険適応であるため個人の負担が軽微で済むということと、パラジウムを合金としているため強度が高いということです。
しかし強度が高いということはどこまで許容されるのでしょうか?
写真のように銀歯は自分の歯よりも硬く、奥歯などで使用する場合には、かみ合わせの強い方は境目で歯の方が欠けてしまうのです。その結果、そこから虫歯になるケースが非常に高く、銀歯を入れた歯が虫歯に再発する確率は5年以内で73%というデーターもあります。
また、同じ金属でもゴールドと呼ばれる金を使用した詰め物があります。ゴールドは銀の詰め物より柔らかく、金属自体に「延び」があるため、歯の方が欠けてしまうことはほとんどありません。自分は中学生の時に虫歯で、父親に奥歯にゴールドの詰め物を入れてもらいましたが、35年以上たっても何も問題なく使用しています。
金属アレルギーの問題も歯の詰め物から発症することがあります。金は生体親和性の高い金属なのでアレルギーを発症することは少ないのですが、保険で使用するパラジウム合金の中に含まれる「パラジウムや銅」は金属アレルギーを起こしやすい金属と言えます。ちなみに欧米諸国では、金属を入れる治療は減少する傾向にあり、パラジウム合金を使用している国は、先進国では日本だけです。このように「国の保険が適用されているから、体には害がない」という考えは間違っていると言わざるを得ません。
被せものに関しても銀歯は、耐久性はいいかもしれませんが、金属の被せ物はプラーク(細菌のかたまり)が付着しやすく、磨きづらいところにプラークが入り込んでしまうと、2次的な虫歯になってしまいます。
この写真は金属の被せ物の下にプラークが蓄積して、その結果歯周病によって歯茎が痩せて下がってしまった状態の写真です。
手前の歯はセラミックの被せ物ですが5年経過しても歯茎が全く下がっていません。また奥の銀歯の被せ物の歯茎は少し腫れているような感じです。このように同時期に被せた被せ物でもこれほどの大きな違いが見られるのです。
また、セラミックの被せ物の特徴として汚れがほとんど付きません。自分の歯よりも汚れが付かないのです。
被せ物を選択する際に、見た目を重要視される方が多いかもしれませんが、セラミックはその表面の性状から汚れが付きづらい材料なのです。その利点は、歯周病のリスクや2次虫歯のリスクを大きく軽減してくれます。「見えないところだから銀歯でいい」という安易な考えはどうでしょうか? 見えないところ=磨きづらいところだとしたら、汚れが付かない材料を選択した方がいいかもしれません。
セラミックの詰め物や被せ物は自分の歯と「色、形、性状」を合わせることができます。