こんにちは。中野区新井薬師前駅徒歩4分 中野通り沿いにある歯医者さん
コンデンタルクリニック 院長の今です。
今回は予防ということにフォーカスを当ててお話ししたいと思います。
学生は4月から新学期が始まって4月、5月ぐらいに健康診断をしますよね。
そこで歯科検診も行うところがほとんどだと思います。当院にも検診結果の用紙を
持って来院されるお子さんも多くいらっしゃいます。
学生は学校で歯科検診がありますが成人した大人はどうでしょう?
会社で健康診断を行っているところは多いと思いますが
その際に歯科の検診を行っているところは少ないのではないでしょうか。
地域によって自治体などで健康保険による歯科検診を行うところもありますが、
あまり浸透していないのが現実のようです。
雑誌「プレジデント」のシニア世代の男女を対象にした「リタイヤ前にやっておけばよかったこと」のアンケート調査では、「歯の検診に行っておけばよかった」が第1位に来ています。
「歯の健康」=「身体の健康」ということが、年齢を重ねるとわかってくることかもしれませんね!
年間医療費の総額が、ついに40兆円を超えたそうです。
現在、70歳以上の高齢者は人口の約1割を占めていますが、
老人医療費は国民医療費の3分の1を占めています。
平成37年度(2025年度)には人口で2割の高齢者が医療費の
半分以上を使うこととなります。
こうなってくると今のままでは日本の医療費は大変な事態になってしまいますよね。
今、平均寿命と健康寿命の差は、男性が約9年、女性が約12年と言われています。
これを縮めて、できるだけ健康で長生きするには、掛け声だけの予防医療ではなく
国全体として本気で取り組んでいく必要性があります。
杉並区においても財政課題のひとつは国民健康保険料の負担ということでした。
いまや病気の原因のほとんどはウィルスより生活習慣ですから、
日頃の食事や運動といったものは当然大事な要素ですが、
「歯の健康が体全体の健康につながる、健康な人が増えれば医療費削減につながる」
ということを当時の区長さんが認識したそうです。素晴らしいですね!
以下、杉並区が実施した取り組みをご紹介します。
たとえば、歯周病と糖尿病の相互関係をはじめ、歯の健康と全身の健康が密接な関係にある事は、既にいろいろな分野で指摘をされています。
高齢者の医療においては歯の残存数が診療日数に大きく影響を与えますし、
手術後の肺炎予防や感染症予防のために口腔衛生が指導されるようにもなりました。
杉並区では成人歯科健診事業を行っていましたが、当時その受診率は6%でした。
この受診率を何とかあげることができないものかと考え、歯のクリーニング券を歯科健診に付けたところ、15%まで上昇させることができました。
素晴らしい取り組みですね!
すでに、香川県や特定の健康保険組合の調査では、歯の健診をしている高齢者の医療費はそうでない高齢者に比べ10万円~15万円低くなっていることを発表しました。
それだけ歯の健康が重要という事ですよね。
世界で一番予防が進んでいるスウェーデンでは、歯医者さんへの定期受診率は大人で80~90%、子供では100%です。
またアメリカでも70%と高い受診率です。
日本では歯医者さんに来る定期受診率が約6%だと言われています。
これは先進諸国の中では最も低い数値です。
原因としては、日本ではまだ歯医者さんは歯が痛くなったら行くところという認識が強く、予防で歯医者さんを受信する方はまだまだ少ないということでしょう。
「歯の健康」=「身体の健康」ということを認識して、まずは歯医者さんに検診に行ってみてはいかかでしょうか?
その一歩が日本の医療費削減につながるかもしれません。