こんにちは。中野区 新井薬師前駅徒歩4分 中野通り沿いにある歯医者さん コンデンタルクリニック院長の今です。5月に入って連休となり、4月新年度からの疲れもこの連休を使って一息つけそうですね。特に今年は昨年同様に緊急事態宣言が出ていますので、お休みの時間を有意義に過ごしたいと思います。
さて、今回は「歯科検診に行ってますか⁉」というタイトルでお話させていただきます。
先日、スポーツジムに行った時に、トレーナーの方がこんなことを言っていました。「この間、小学校以来久しぶりに歯医者に行ったら、虫歯ができていて、治療してきました。他にも、親知らずが虫歯になりかけているということで、抜いた方がいいかもしれないといわれてしまいました。」その方は、20代後半の方でしたが、うちに来る患者さんでも、今まで、ほとんど歯医者に行ったことがないという方もたまにいらっしゃいます。そのトレーナの方は、私が歯医者だということを知らなかったのですが、「歯医者さんは、痛いところがなくてもいった方がいいところなんですね!」と話していました。
病院=悪いところがあってから行くところ
確かに間違いではありません。虫歯に関しては、小中学校の検診で虫歯と診断される歯は少なくなってきています。最近では、虫歯よりも歯並び、かみ合わせが悪いというお子さんが増えてきているようです。高校生以上になってきますと、勉強や部活動などで忙しく、歯医者に行くとしたら虫歯で痛くなってからになってしまうかもしれません。あるいは学校検診で何か悪いところがあるので、「歯医者に行くように促されて行く」ということかもしれません。
成人の場合はどうでしょうか?
成人の場合は、虫歯もそうですが、特に歯周病のリスクが高くなってきます。歯周病はサイレントディジーズ:(静かなる病気)とも表現されるようにひどくなるまで病気と自覚されることが少ない病気です。そのまま放置しておくとその歯の寿命が短くなるばかりか、健康な歯にも悪影響を及ぼし、お口の中全体が悪くなってきます。また最近では全身疾患との関係も明らかになってきており、まさに「歯周病は万病のもと」と言えるでしょう。
成人になっても、会社によっては歯科検診を行っているところもあるのですが、最近はコロナ禍で歯科検診が先送りにされている学校や会社が多いようです。
成人になると歯周病のリスクが上がってきますが、歯周病はなかなかひどくなるまで症状が出ないということですから、虫歯も歯周病も痛くなってから来た時には、程度が大きくなっていて、大々的に処置をしなくてはいけないというようになってしまいます。
先程話したスポーツジムのトレーナーの方は、「病院は悪いところがなくては行ってはいけないところ」だと思っていたらしいですが、たまたま引っ越した近くに歯医者さんがあって、歯科検診を行っていることを知って行ってみようと思ったそうです。
歯医者≠痛いところがあってから行く
これが、悪くなる前に未然に防ぐことができる考え方だと思います。つまり歯科検診は、健康を維持するために必要な検診であるということです。
これは、55歳以上のシニア層を対象にしたアンケート調査ですが、健康面で1番後悔していることが、「若いころに歯の定期検診を受ければよかった」ということでした。
この表のグラフも80歳までに20本以上の歯を残しましょう。という「8020運動」というものがあるのですが、「問題があるときだけ受診」の方は80歳になると残っている歯が0本になってしまい、総入れ歯の状態になってしまいます。
また、最近は歯周病と全身疾患の関連性もさまざまなものが取りだたされるようになりました。その1つが歯周病とアルツハイマー病の関連性です。
マウスを使った実験で、アルツハイマー病の原因因子でもあるアミロイドβタンパク質の量が、歯周病に罹患したマウスでは、対象マウスに比べて著名に上昇を示し、脳内の炎症分子の上昇が認められたということです。
「このことから、歯周病という慢性炎症が、脳内に波及し、それがアルツハイマー病の原因因子であるアミロイドβの脳内レベルを上げて認知症を憎悪させていることが分かった」という実験報告がありました。
その他、歯周病になると、高血圧、糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞、早産などのリスクが高まるといわれています。
このように歯周病とはとても怖い病気ですし、悪くならないと症状として現れづらいので、歯科検診で早期にチェックしたほうがいいと思います。
歯医者は痛くなくても行っていいところ、もしくは検診に行くべきところではないでしょうか‼